夫の退職金は財産分与の対象? 既に受け取っている場合とこれから受け取る場合

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  • Опубликовано: 10 фев 2025
  • 結論から言いますと、退職金も財産分与の対象として請求することができるということなります。
    さらに言えば、既に支給された退職金だけでなく、将来支給される退職金も請求することができるという事なんですね。
    なぜ請求できるのかと言いますと、退職金は夫婦がともに築き上げた財産と見なされていて、
    夫が退職金を貰えるのは妻が長年専サポートしたからと考えられているからです。
    ただし、財産分与が認められるには、既に支給された退職金については「退職金が残っていることが前提」になりますし、将来支給される退職金については、「退職金が支給されることが確実に見込まれることが前提」という事になります。
    そして財産分与を請求するときは、夫婦の共有財産は基本的に半分ずつに折半するという事になっています。
    これは、財産の名義がどちらにあるかということは関係ありません
    但し、話し合いの段階で双方が合意するのであれば、9:1でも自由に決められることができるという事になっています。
    裁判まで行く場合、通常は、まずは「話し合い」から始めて、話し合いが不成立だった場合に調停による財産分与の請求をします。
    そして、この調停が不成立となった時、裁判所による審判に移行することになっています。
    1.既に支給された退職金の財産分与
    この場合は、婚姻期間中に対応する退職金部分だけが財産分与の対象という事になります
    従って計算式は、「退職金の額 x 勤続期間/ 婚姻期間」になります。
    例えば、夫の退職金が1500万円で夫の勤続年数が30年、婚姻期間が20年の場合の財産分与の対象となる退職金は、「1500万円×婚姻期間20年÷勤続年数30年」=1000万円となります。
    なので、この半分の500万円が妻への財産分与という事になります。
    ではもし、夫の退職後に退職金を使い切って離婚する時には既に退職金が残っていなかったと言う場合はどうなるでしょうか
    この場合は、財産分与の対象がないということになり、退職金を請求することはできないということになります。
    但し、夫の浪費によって退職金が減ったと言う場合は、財産分与の割合等で考慮される可能性があるという事になります
    2.まだ支給されていない退職金の財産分与
    まだ支給されていない退職金について財産分与の請求ですが、実務上は退職金を受給できる可能性が高い場合に限り将来の退職金も財産分与の対象となるという事になっています。
    では、退職金を受給できる可能性があるのかどうかわからない、と言う場合はどうなるかと言いますと、これは状況によって判断がわかれるということになります。
    この「退職金を受給できる可能性が高い場合に限り」とは、何を根拠に判断されるのかと言いますと、以下の4つの状況を確認して、総合的に判断することになっています。
    ・退職金を支払う旨の規定があること
    ・勤務先の経営状況が良好であること
    ・長期間にわたって勤務を継続していたこと
    ・退職金支給時点までの勤務期間が短いこと
    3.まだ支給されていない退職金の計算
    まだ支給されていない退職金についての計算方法は2つのパターンがあります。
    ①現時点で退職したと仮定した場合
    ②定年退職時に受け取る予定の退職金をベースにした場合
    どちらの計算式になるかはその時の状況によって総合的に判断されるので、一概には言えません。
    まず①ですが、これは夫が将来もらう予定だった退職金ではなくて、離婚時にもし夫が退職したら退職金がいくらになるのかを計算して、それを元に対象となる退職金の金額を出すと言う方法です。
    例えば離婚時の夫の勤続年数が20年で、夫婦の婚姻期間は10年の夫婦がいたとします。
    もし、この夫が定年まで働いたら退職金が1500万円だけど、もし今すぐ退職した場合の退職金が800万円だったとします。
    このケースの場合、①の方法で計算しますと、財産分与の対象となる退職金の計算は800万円×婚姻期間10年÷勤続年数20年 =400万円と計算します。
    なので、400万円の半分の200万円が妻への財産分与という事になります。
    一方②の方は、夫が定年まで働いた場合に受け取る退職金を元にして、対象となる財産分与の金額を出すと言う方法です。
    計算式は、(定年退職時にもらえる予定の退職金 x 婚姻期間/勤続期間) ー 中間利息
    この中間利息というのは、「早くもらった分だけ発生する利息」ということになります。
    つまり、妻は本来の退職金の支給時期よりも早くもらうことになるので、その分の利息を差し引くと言考え方ですね。
    4.「夫が退職金を隠すかも」と言う場合は
    将来受給予定の退職金を夫が隠したり、あるいは浪費したりする可能性があると言う場合の対抗策として、退職金の仮差押えと言う方法があります。
    この仮差押えとは、裁判などの判決が確定する前に夫が持っている財産の移動を制限することになります。
    そのやり方は、まず最初に裁判所に申立書と言う書類を提出します。
    そして裁判所から仮差押えの申立てが認められば、仮差押え命令が出され夫は会社から退職金を支払ってもらえない状態になります。
    つまりこれで、夫が退職金を隠したり、あるいは浪費したりする可能性がなくなるということですね。
    では、もし夫が退職金の金額を教えてくれなかったらどうすればいいでしょうか。
    離婚時は夫婦間で対立しているため、実際、夫が退職金の予定額を教えてくれない場合がよくあります。
    このような場合、個人で正確な退職金の金額を調べるには限界がありますので、多少お金がかかりますが、専門の業者や弁護士などに頼んで、調査してもらう方法が一番効率的かと思います。
    #退職金 #財産分与 #熟年離婚

Комментарии • 14

  • @KIKI-kc5cl
    @KIKI-kc5cl 4 года назад +3

    詳しくありがとうございます😊
    離婚したいと言われたら…
    離婚したいと思ったら
    また、友人が離婚するってなったら
    色んな意味で知っときたい情報でした。
    日本語は難しいので😅図付きの解説本当に分かりやすいです。
    ありがとうございます😊

    • @図解で学ぶお金の知識
      @図解で学ぶお金の知識  4 года назад

      KI KI 様 こちらこそ、丁寧なコメントをいただきありがとうございます。「図付きの解説本当に分かりやすいです」と書いていただき、本当に嬉しかったです♪

  • @ばあちん-x5v
    @ばあちん-x5v 4 года назад +2

    まず、結論❗️から説明して頂けるので、心穏やかに聞き入る事ができます。
    要所要所に対応策の解説もあり、不安が軽減されます。
    夫の銀行などの通帳・クレジットカード明細書などは夫の浪費の証拠になるのではと思う。
    ペーパーレス化が進んでますが、やはり、書面での保持が良いですね。
    結婚してからの通帳は全て( 過去から現在)保管してます。
    離婚・相続・何かの裁判の時を想定して、過去からの証明のために。
    私は裁判を起こした経験があるので、物証(物による証拠物)は大切です。
    この動画で、話されている内容は、とても難しいのに
    丁寧な動画での解説のおかげで
    耳で聞き、目で(動画)解説して頂けるので
    耳と目で同時進行で理解られるので頭の中で整理できます。
    そして、概要欄にも、丁寧な説明があり
    動画解説の後に概要欄を見たので
    文字だけの説明でも理解できました。
    すごく難しい内容を
    いかに、説明して
    いかに、わかってもらえるのか
    その思いが伝わってきます。
    ありがとう ございます🙇‍♀️
    御多忙の中での、動画作成されて
    体調は、崩されていませんか❓
    ご無理なさらずにね。
    いろんな事が学べる『嬉しさ・喜び』を教えて頂き
    ありがとう😊ございます

    • @図解で学ぶお金の知識
      @図解で学ぶお金の知識  4 года назад +1

      ばあ〜ちん 様 いつもありがとうございます。そこまで言っていただけるとは、本当に恐縮です(^^;)。解説欄も読んでいただいたのですね。ありがとうございます。私は生まれつき身体が弱いので、体調が悪い時を避けて動画を作るようにしています。今後も分かりやすさを追求して動画を作っていきます。引き続きよろしくお願いいたします。

  • @yamato2199bob
    @yamato2199bob Год назад

    退職金が無い会社も多い時勢の中で退職金を分与できる人って限られそうな気がしますね。

  • @chansho-c6g
    @chansho-c6g Год назад +1

    いつも勉強になります 独身時代から退職日までの退職金の半分取られると思ってましたが⁉︎年金分割みたいな計算式で婚姻期間中の割合の感じでしょうか?

    • @図解で学ぶお金の知識
      @図解で学ぶお金の知識  Год назад

      こんにちは。離婚による年金分割には、3号分割と合意分割がありますが、いづれも婚姻期間中の年金の加入記録を分割するものです。そして分割の対象となる年金の種類は、厚生年金になります。但し、2008年4月1日より前の婚姻期間は対象外になります。詳しくは、下記の動画で解説していますので、良かったら参考にしてください。よろしくお願いいたします。ruclips.net/video/FJZGet5JN4g/видео.html

  • @なの-z2g
    @なの-z2g 4 года назад +1

    わかりやすかったです。今、有責の夫から離婚調停を申し立てられているので、考えたくないけど…勉強させてもらいました。離婚が引き伸ばせなかった場合、退職金の分割も老後を生きるために必要なので。企業年金も分割出来た方はいるのでしょうか!?弁護士費用も高いですし、忙しそうでなかなか相談できにくい状況です😩

    • @図解で学ぶお金の知識
      @図解で学ぶお金の知識  4 года назад

      キョウコさま コメントありがとうございます。大変ですねぇ。ご質問の件ですが、企業年金については、 現在のところ、離婚における財産分与において、明確な取り扱いは決まっていないようです。ただ企業年金の保険料支払には妻も貢献していたと考えられるので、何らかの権利を主張できるのではないかと思います。これ以上のことは弁護士でないので分かりません(-_-;)。よろしくお願いいたします。

  • @すよ-k7f
    @すよ-k7f 2 года назад

    分かりやすかったです。解説の中での『今退職した時の額』で。
    共働きで夫が800万、妻が100万。折半したら450万ですよね。
    『格差が大きい場合折半ではなく多少の効力、、、』と言うのを見たのですが実際はどうなのでしょうか?
    ちなみに今調停中です。

    • @図解で学ぶお金の知識
      @図解で学ぶお金の知識  2 года назад +1

      すよ様 コメントありがとうございます。共働き夫婦の場合、おっしゃるように収入の格差が大きい場合は、その収入の比を考慮する場合もあり得ますが、相手が拒否する可能性もあり、その場合は、最終的に裁判所の判断を仰ぐことになると思います。

    • @すよ-k7f
      @すよ-k7f 2 года назад

      @@図解で学ぶお金の知識 さん。
      やっぱりそうなりますか、、、。
      『裁判所の判断を仰ぐ』、これ、裁判に発展しなくても調停段階で裁判官が助言して、という解釈で合ってるでしょうか?